おもちゃで気軽にプログラミングを教えたい
子供にとって、プログラミングの重要性はますます高まっていますが、「プログラミング教室はちょっとハードルが高い」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、「もっと手軽にプログラミングを子供に体験させたい」という方におすすめのおもちゃをご紹介したいと思います。
おもちゃでプログラミングは学べるのか?
おもちゃと聞くと、「一種の遊びでプログラミングとは程遠いんじゃないか」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、これから紹介する「プログラミングを学べるおもちゃ」は、幼児からでも無理なくプログラミングを楽しく学べるおもちゃばかりです。また、パソコンやタブレットがなくてもプログラミングが学べるという点も魅力的です。
動画で使用方法などをチェックできるので、「親子で一緒に楽しめるかな?」「自分の子供が興味を持てるかな?」といった不安を事前に確認することができます。ご興味のある方は、ぜひ一度、購入前にチェックされてみてはいかがでしょうか。
ThinkFun(シンクファン)
ThinkFun(シンクファン)というおもちゃメーカーは、子供が遊びを通して論理的思考や数理的理解能力を高めることを狙ったおもちゃを販売しています。
おもちゃのシリーズは大きく5つに分かれており、幼児から大人も楽しめるよう難易度が分かれているという特徴があります。
コーディング・シリーズ(Coding Series)
ThinkFun(シンクファン)が出しているおもちゃの中で、もっともプログラミングに近いおもちゃがコーディング・シリーズ(Coding Series)です。
コーディングとは、プログラミングをする際に、人がコンピューターでも理解できるように命令文を書くことです。この命令文は、C言語やJavaScript、RubyやPythonといった「プログラミング言語」を使用してコンピュータ画面にキーボードを使って打ち込みますが、この行為そのものがコーディングに当たります。
このコーディング・シリーズは、パソコンやタブレットなどの電子機器を用意しなくてもコーディングの要素を学ぶことができます。
コーディング・シリーズ(Coding Series)には、様々なおもちゃが用意されていますが、その中でも今回は「3歳からのプログラミング〜ロボットタートルズ〜」についてご紹介したいと思います。
3歳からのプログラミング〜ロボットタートルズ〜
この「3歳からのプログラミング〜ロボットタートルズ〜」は、プログラマーは子供、プログラムに沿って動くコンピュータ役は大人、という役割が分かれていることが大きな特徴となっています。
子供が指示した内容(プログラム内容)がまちがっていると、コンピュータに扮した大人は全くの役立たず。その様子を見て、プログラムに間違いがあること、どうすれば目的を達成できる正しいプログラム内容になるのかをゲームを通して学ぶことができます。
プログラムを書く→プログラムを動かす→プログラムの間違いに気づく(バグの発見)→プログラムの間違いを直す(バグの修正)→プログラムを再度動かす、というまさにプログラマーが日々行っている行動の流れを遊びながら学ぶことができます。
実は、このコーディング・シリーズはGoogleのプログラマーが開発したことでも有名です。
ラッシュ・アワー・シリーズ(Rush Hour Series )
ラッシュ・アワー・シリーズは、論理的思考力を鍛えること目的に作られているおもちゃです。カードと車のおもちゃ、そして車のおもちゃを並べるボードの3つで構成されています。
このおもちゃは、「カードに表示された車の配置から、どのように指定した車を脱出させるか」を読み解くパズルです。5歳〜向け・8歳〜向けが用意されています。
このラッシュ・アワー・シリーズからプログラミングに活かせるところは、ビジュアルプログラミングで使用される
- 座標の概念が学べること
- 目的を成し遂げるためのシミュレーション能力を繰り返しによって鍛えられること
などをあげることができます。
言葉で座標などの概念を幼い子供に理解させるのは苦難の技ですが、このようなおもちゃを通して体感して学べる点は大きなメリットがあると感じています。
値段は、3500~25000円(税抜き)と大きなばらつきがあります。
メイズ・シリーズ(Maze Series)
メイズ・シリーズは3つのおもちゃが用意されています。その中でも、特にプログラミング教育に役立ってくれそうなおもちゃは「サーキット・メイズ(CIRCUIT MAZ)」です。
このおもちゃは、電子回路を組み立てるパズルゲームになっています。電子回路というといかにも難しそうですが、要は電気がプラスからマイナスに流れるというルールに則って、電気が通るようにおもちゃのパーツを当て込んでいくというおもちゃになります。
このように、電子機器の根本的な電子回路に関して学んでおく事は、日本が世界に引けを取らないメカ制御の分野で能力を活かせる可能性を秘めています。
また、小さい頃から遊びの一環として電子回路が身近なものにしていることは、最近日本教育で危ぶまられている「理科離れ」などを防ぐ要素になると考えられます。
私自身、ハードとソフトを学べる大学に進みましたが、電子回路の概念を習得するまで(慣れるまで)に多くの労力を費やした苦い過去があります。
現在の生活にあまりに身近になってしまった電気という存在を、幼い頃から理解することで、興味の範囲・興味の深さが格段と上がることは言うまでもありません。
電子回路が学べる「サーキット・メイズ(CIRCUIT MAZ)」の値段は、5200円(税抜き)です。
算数&英語・シリーズ(Mathematics English Series )
算数&英語・シリーズは、その名の通り、算数と英語を学ぶことを目的に作られているおもちゃです。難易度別におもちゃが構成されており、最も易しく算数に特化したバランス・ビーンズというおもちゃを紹介します。
このおもちゃは「シーソーに豆をどのような配置で乗せたら、バランス良くなるか」を考えます。物理でいうテコの原理をシーソーという身近なものを通して学ぶことができ、8歳〜向けが用意されています。
バランス・ビーンズというおもちゃからプログラミングに活かせるところは、シーソーのバランスを保たせる配置を考える最に、「テコの原理を利用して、目的を達成するために必要な計算を行う」という点です。実際にテコの原理を理解する必要はなく、「シーソーがバランスを保つためにはこんなルールがあるんだよ」ということを伝えれば、このおもちゃを容易に楽しむことができるようになります。
プログラミングは、ある操作をコンピュータに命令して実行させるための命令文を書くという行為ですが、ある操作をコンピュータが正しく理解できるように噛み砕き、計算をさせることがほとんどです。
また、ロボットなどは様々な物理法則を利用しながらプログラミングしますので、おもちゃを通して物理的な感覚を習得できると、ロボット工学などに興味を持つきっかけになる可能性があります。そこまでいかなくとも、学校で物理を学ぶ際に、遊びを通して学んだ物理的センスを生かして、理論がすんなりと頭に入ってくるというメリットが考えられます。
その他に用意されているゲーム
その他にも、ThinkFun(シンクファン)には空間計算力や論理的数理力などを鍛えることを期待できるおもちゃが揃っています。
紹介したおもちゃから学べるプログラミング以外のこと
様々な能力を、強制されることなく子供の自発的な遊びの中から学びとることは、プログラミング能力を高めることだけでなく、様々な物事への興味関心・好奇心へとつながります。
その結果、勉強や学習というものが「仕方なく」「親・先生に言われたから」という義務から実施するものではなく、遊びの延長にあるものへと変わる可能性を秘めています。