子供の独学力を育む方法(その②:情報収集する力)

子供の独学力を育む方法(その①:目的意識を持つ)でも紹介しましたが、独学力は3つの要素で成り立っています。

  • “何かやりたい”という目的意識を持つこと
  • 情報収集する力
  • 限られた時間の中で必要な知識を習得する段取り力(スケジュール管理能力・遂行力)

今回は、その2つ目にあたる「目的のために必要な知識は何かを把握し情報収集する力」についてご紹介したいと思います。

情報収集能力の身につけ方

インターネットでどんな情報にもアクセスしやすくなった今、情報収集能力=ネットリサーチ力+質問力と分解することができます。今回はネットリサーチ力についてご紹介します。

ネットリサーチ力は、どのサイトに正しい情報や目的に合う情報が集まっているのかを探せる能力を指します。もっと突き詰めると、何が無駄で正確ではない情報なのかを見分ける力と言えます。この能力は、2つの方法で伸ばすことができます。

1)リサーチの経験を積む

一つは「リサーチの経験を積むこと」です。初めてネットリサーチをする場合は、以下のステップを踏むことをお勧めします。できれば、リサーチ結果をノートなどで残して後から見返せるようにしておくと、リサーチ力の向上を実感できてお勧めします。

  1. お題を決める(何のためのリサーチなのかを明確にする)
  2. 仮説を立てる(全然見当がつかないことに対するリサーチなのか、予備知識があり仮説を立てているのかを事前に明確にしておくとリサーチ内容の質がアップします)
  3. 時間を決める(時間を区切ることでネットリサーチの質が上がります)
  4. リサーチするサイトを限定する(初めてのネットリサーチの場合、ある程度、見当のつくサイトをピックアップしておくのも手です)
  5. 参照した情報元サイトのURLと参考箇所を残す(情報元を明示することでリサーチ内容の信憑性が上がります)
  6. リサーチから導いた結論を書き出す(当初の目的にあった結論が出ているかチェックします。もし目的からずれた結論になっていた場合は、何を改善できるのかリストアップし、次回のリサーチに生かします)

2)リサーチ力の高い人から盗むこと

そしてもう一つが「リサーチ力の高い人からその方法を盗むこと」です。

この方法は、「リサーチの本から盗む方法」と「年齢の近いお子さん同士で教えう・競争させる」などの方法があります。

リサーチ関連の本から盗む方法は、出来るだけお子さんに本を選ばせるようにしてください。難しすぎたり、リサーチに関連する本でないものを選んでしまうこともあると思いますが、そこはぐっとこらえてその失敗をお子さん自身に体感させることが次に生かされます。

年齢の近いお子さん同士で教え合う・競い合う方法でおすすめなのは、ご兄弟で一つのテーマについて調べ合う方法です。

ネットリサーチをバカにしない

リサーチ力を伸ばす方法として2つの方法(ネットリサーチの経験を積む・リサーチ力の高い人から盗む)をご紹介しましたが、この二つの経験をバランスよく積むことが重要です。

もし、リサーチのの経験を積むことに偏ってしまうと井の中の蛙になりかねません。一方で、リサーチ力の高い人から盗むことだけでは他人依存のスキルになり、工夫すること・改善することに欠けてしまいます。

何れにせよ、ネットリサーチ力はこれからの社会を生きる上で非常に有力です。この機会に、子供達のネットリサーチ力について考え、できることから初めてみてはいかがでしょうか。

子供のネット依存を危惧する前に

今のお子さんたちは、生まれた時からスマートフォンが身近な存在です。

そこで、スマホ依存症になることを回避するためやネット社会の様々なリスクからお子さんを守るために、お子さんがデジタル機器を使うのを遠ざけているご家庭もあると思います。

しかし、すでに到来しているデジタル社会を生き抜くためには、ネットの使い方やリスクを早い段階からしっかりと知る必要があると感じています。

なぜなら、ネット社会のリスクから子供たち自身が守る術を学び習得することが、本当の意味でネット社会のリスクからお子さんを守ることに繋がるからです。また、ネットリサーチ力をつけることで、ネット上にある上質な情報に簡単にアクセスでき、それによってお子さんの視野を低コストで広げるができます。

しかし、闇雲にネットリサーチをさせるわけにもいかない、ネット上のリスクにどんなものがありどう防いでいけばいいかわかない、そんな時間がない、というご家庭がほとんどだと思います。

そういったご家庭でぜひ利用したいのが、お子さんのネット依存を回避するために開発されたアプリなどです。時間制限できるものや、閲覧するサイトを制限できるものまで様々なものが公開されています。

ご家庭にあったアプリや仕組みをうまく利用して、お子さんが本当の意味でネット社会を安心して利用できるよう促していきたいものです。