体験授業レポ〜幼稚園年長、博学ボーイ、障害物回避の仕組みを解読!〜

 今回、体験授業に参加してくれたのは幼稚園年長組の男の子。好奇心旺盛で、一橋大学でクワガタ・玉虫など昆虫採集をしたり、段ボールを使った工作や折り紙に励んでおり、興味のあることには何時間でも取り組める集中力を持っていました。

将来は「恐竜を発掘する人になりたい」という夢も持っており、様々なことに興味を持つだけでなく、自らの体験を通して知識を深めることができる男の子でした。

写真はイメージです

この男の子は、以前国立駅で行っていたロボットプログラミングを見た事をきっかけに自らプログラミングに興味を持ち、”ロボットを作ってみたい”とお母様に伝えられていたそうです。そして今回、チラシをご覧になったお母様が「any」のブログなどを読まれ、「ロボットプログラミングが学べる点」だけでなく、「生きる力」を培える要素があるのでは?と感じていただき、体験授業に申し込んでいただきました。

実は、プログラミングに自ら興味を持って始める子どもは少ないのが現状です。多くは、プログラミングの必要性を親御さんが感じ取りお子さんに進めるケースがほとんどです。これには大きく2つの理由があります。それは、

  1. プログラミングの面白さに触れる機会が少ないため
  2. プログラミングの面白さを”見ただけ”で感じることが難しいため

という点です。

プログラミングの面白さに触れる機会は、都心かつ教育熱心な方が集まるエリアほど多いと言えます。そのようなエリアではプログラミング教室が早い段階から開設されており、門下がひらかれています。国立もその中の一つといっていいでしょう。

しかし、そのような機会がありながらもお子さんが自らプログラミングに興味を持つのはなかなか難しいことです。その理由が先に挙げた「2.プログラミングの面白さを”見ただけ”で感じることが難しいため」です。体験を通して初めてプログラミングの面白さに気づかれるお子さんがほとんどなので、anyでは体験授業を必ず受講いただくようにお願いしています。

逆に今回の男の子のように「自分からプログラミングに興味を持つお子さん」は稀有です。実際に、体験授業を通してこれからの伸びを大いに期待できると感じました。なぜなら、体験ベースの知識や知恵や考察力が素地として備わっていると感じる場面が多くあったからです。そして、その素地があるからこそ、普通のおもちゃより圧倒的に複雑なロボットにも自ら興味を持つことができたのでは・・・と感じました。

次章では、そのエピソードについて触れたいと思います。

壁に激突する障害物回避ロボットから何を学び取れるか〜失敗は学びの宝庫

体験授業では、「ロボットを作りたい」という明確な希望があったので、障害物回避ロボットを使用しました。

体験授業で使用した障害物回避ロボット

実際に以下の点についてArduino(アルドゥイーノ)で書かれたプログラムを書き換えてもらいました。

  • ロボットのスピード変更
  • 障害物を察知する距離の変更
Arduino(アルドゥイーノ)障害物回避プログラムの一部

プログラミング初心者だった男の子は、キーボードの操作に慣れていませんでしたが、カーソルの位置がどういう意味を持つのか、どうやったらカーソルを移動できるのかを何度も試しながらすぐに習得していました。

1.障害物回避ロボットとコウモリの共通点に気付いた男の子

実際に様々なプログラムを試す中で、想定していた動き通りにならない事態が発生しました。

例えば、障害物を察知できずにロボットが激突する場面がありました。ある場面では障害物を察知しうまく回避できるのですが、ある場面では障害物を察知できずに激突してしまう・・・。このような場面を何度か繰り返す中で、「障害物を察知する場合としない場合は、何が違うんだろうね」と問いかけてみました。

実はこの質問を問いかけた時、幼稚園年長の男の子には難易度が高すぎるかな・・・と少し心配していました。というのも、この原理を理解するには正確には中学校レベルの物理の知識が必要だからです。

・・・が、男の子は瞬時に「障害物の角度」が影響していることを言い当てました。そして、障害物回避ロボットが超音波を使って障害物を察知していることを伝えると、「コウモリと一緒だ!クジラもそうだよ!」と教えてくれたたのです。

2.ロボットスピードと障害物回避距離の関係に気付いた男の子

また、ロボットが障害物を回避する距離とロボットの動くスピードの組み合わせを試す中で、障害物を回避できないケースが発生した際も、男の子は鋭い洞察力で「障害物を回避できる回避距離とスピードのパターンがあること」を見抜き、私を驚かせてくれました。

これらの事例からも分かるように、博学ボーイはロボットプログラミングを初めて行うにも関わらず、ロボットの挙動に必要な知識や知恵をすでに備えていました。この博学ボーイの知識量の多さ、物事の共通点に気づくことができる洞察力を育む要素は、工作や昆虫採集など自分の好きなことを通して「うまくいかないこと」「想定通りでないこと」に慣れているからではないかと想像しています。

ロボットを動かす上でも、実際に想定通りの動きをするまでトラブルが発生することがほとんどです。そのため、自分だけでは解決できずに途中で投げ出してしまうケースを多く見てきました。私自身もこのステップを多く踏んで今に至ります。しかし、このステップをうまく乗り越えらることでしか学べない点が多くあります。

失敗からしか学べないこと

想定通りにいかないことはとてもストレスです。しかし、「どうしてうまくいかないのだろう」「これが原因かな?」「じゃあここを変えて試してみよう」を繰り返していく中で、「うまくいった!」という経験ができると、うまくいかないことを逆に面白がれるようになります。

「うまくいかないことに対処する」経験を積むことで、ロボットプログラミング以外の様々な知識も頭の中に入ってくるようになります。

博学ボーイのケースからも御察しの通り、失敗は学びの宝庫です。そのため、「any」では失敗を大いに歓迎しています。最初から正解することや早く正解することより、失敗を恐れずに「こうすればうまくいくかな?」と試す経験を積み重ねることに重点を置いています。なぜなら、失敗からしか学べないことがあり、それが生き抜く力に通じていると自分の経験から感じているからです。

私たち大人が子供だった時代、「多く正解すること」「早く正解すること」が求められてきました。そのため、私を含め親の世代は子供達が失敗をし続けることを容認できない節があります。しかし、人生は山あり谷ありで、成功するときもあれば失敗するときもあります。正解だけを子供達に求めていると、子供達がいざ人生で壁にぶつかった時にどう対処すればいいのでしょうか。

プログラミング教室「any」では、プログラミングの知識やスキルだけでなく、”失敗してもいいんだよ””うまくいかないことって実は深くて面白いよ””失敗しても何とかなるんだよ”ということも学んでもらえたらと考えています。

体験授業を受けてみませんか?

プログラミング教室「any」では、体験授業を行なっています。お子様のご興味や学び方のくせなどをヒアリングさせていただいた上で授業を進めるため、プログラミングに対するモチベーションが高まり、教えられたことだけやるのではなく、自らの発想を実現化するための手段としてプログラミングを学べるようカリキュラムを組んでいます。

そして、身につけたスキルや知識を活かす場として、コンテスト出場を一つのゴールとしています。

ご興味のある方やご質問のある方は、お気軽にお問い合わせください。