教育と子どもたちの未来

今までの教育環境は、子供たちの個性に沿った授業が展開しづらい環境でした。しかし、AIやICTなどの技術が教育現場に導入されることによって、一人一人にあった教育環境が徐々に整ってくるでしょう。

プログラミングコンテストを目指す教室any

教師の方が持つジレンマ

教育現場で働く教師の方々は、授業+教育指導要領の改定(追加され続ける授業内容)+部活指導で忙殺されているのが現状ではないでしょうか。そんな中、授業についていけない子、授業がつまらなくて飽きている子へのケアができないことへのジレンマを抱えていると感じています。これは教師の問題ではなく、教育現場のシステムの問題です。

しかし今後はICTが導入されることで、この問題は解決に向かうでしょう。なぜならICTの導入により、個人に最適化された教育が提供され始めるからです。

ICTが可能にするオーダーメイド教育

これらの教育現場の変化により、今までの平均化した授業では対応できなかった個々人の学習ニーズへの対応が可能になります。そうなると、子供たちの学力は全体的にボトムアップするでしょう。

しかしながら、このような未来がすぐ実現できるかというと、なかなか難しい現状が浮かび上がります。

例えば、公立学校でのwifi普及率は10%台です。ワードやエクセルなどのソフトが入っているパソコンを使用する教師の方々も職員室で数えるほどしかいない現場があります。

これらの例を見ても、授業で当たり前にITが使えるようになるまでには様々な壁が立ちはだかっているようです。しかし、子供の成長は待ってはくれません。

ICTの得意なこと、ICTの苦手なこと

少し話を戻しましょう。

ICTによる教育のカスタマイズ提供が可能になると、「教師の役割はどのように変わっていくのか」という声をよく耳にします。

実は、ICTは認知能力の向上には効果的ですが、非認知能力の向上には不向きであることが様々なデータからわかってきました。つまり、ICTが教育現場で活用され始める時代になると、教師は非認知能力をサポートすることに注力できるようになると考えられています。

変化の大きな時代を生き抜く力とは?

ちなみに非認知能力は、これからの変化の大きな時代を生き抜く力として注目されています。我慢する力、やり抜く力、自分で計画する力などを指す非認知能力の伸びが、今後ますます重要性を増していくということになります。

例えば、大検を受けて大学に入学した生徒と高校を経て大学に入学した生徒の学力を平均化(つまりどちらのグループも、知性が同じようになるようにした場合)した時に、この2つのグループのその後の年収を調査すると、高校を経て大学に入学したグループの方が年収が高くなることがわかりました。

この事例から、知識があること=生き抜く力があることにはならないことがわかります。これからの時代を生き抜くためには、非認知能力+時代に即した知識が必要です。そして、非認知能力には、どうやらコミュニティの中でコミュニケーションする経験が影響を及ぼしていることがわかってきています。

非認知能力を伸ばすには?

まずは、管理されない環境で安心して学べることが重要だと思います。

管理されない環境

管理されない環境とは、具体的には「子供自身が目標を掲げ、自分で計画して、自分をコントロールする」と言うことです。つまり、親に管理されるのではなく、自分で管理すると言うことです。

こんなことを言うと、「いやいや、子供が自分でやってくれたら、親は(先生は)苦労しません」と言う声が挙がりそうでドキドキしていますが、自律できていない子供に最も多いのは「やり方がわかっていない」または「モチベートされていない」と言うケースです。

モチベートされている場合は、自律するまであともう一歩まで来ています。問題は、モチベートされていない場合です。子供のやる気を引き出す要素については、こちらに書いてみたので是非合わせて読んでみてください。