STEM教育

STEM教育とは?

Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)Mathematics(数学)の頭文字をとったもので、高度な STEM リテラシーを備えた人材の育成を目的とした教育を指します。

アメリカでは、国家能力の中枢を担っており、今後も世界の政財界をリードし続けるためにSTEM教育を官民共同で強化していくことを2013年の「FEDERAL SCIENCE, TECHNOLOGY, ENGINEERING, AND MATHEMATICS (STEM) EDUCATION 5-YEAR STRATEGIC PLAN」で公表しています。

STEM教育が重要視される理由

STEM人材の不足を補うために

一つはSTEM人材の不足を補うためです。具体的には、2010 年から 2020 年までの間に、STEM 関連の職業需要は全体で 14%増加すると予想されています。特に、システムソフトウェア関連の職業については 32%、医療科学関連は 36%、更に生物医工学関連においては62%の増加が予測されているにも関わらず、この10 年間の STEM 分野学位取得者が 100万人不足することが課題とされていました。

将来の問題解決に必要なスキルだから

また、2011年にマイクロソフト社がSTEM教育を受けている大学生とK-12※世代の親を対象に行った調査では、「STEMは世界の深刻な問題を解決するのに役立つ」と回答した人が90%以上いることがわかっています。

この調査結果からも、21世紀を生き抜くために必要な力としてSTEM教育が注目されていることが伺えます。

H28年度_国際学術交流研修海外実務研修報告集.indd より

※K-12…アメリカにおける「幼稚園の年長(KindergartenのK)から始まり高等学校を卒業するまでの13年間の教育期間」のこと

wikipedia

STEM教育と謳っているプログラム

では、実際にSTEM教育をやっていると謳った教室やプログラムを調べてみると、STEMを全てカバーしている教育プログラムはまだ存在していないように感じます。

その背景には、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)Mathematics(数学)を一手に教えられる人材がいないという事情があります。

私の感覚では、ロボットプログラミングなどを使ってTechnology(技術)、Engineering(工学)まではできていても、Mathematics(数学)を使ってより効率的にプログラミングをしたり、学んだプログラミングスキルをScience(科学)まで生かすという動きまでは行けていないというのが現状ではないでしょうか。

STEM教育をオールカバーするには、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)Mathematics(数学)をマスターし、かつ順序立てて子供達の理解度に合わせて提供する力が必要です。

現在はプログラミング教育が注目を集めているので、今プログラミングを学んだ子供達が成長してあと5年もすれば、STEM教育を体系立てて学べる環境が整ってくるのではないかと思います。