子供の独学力を育む方法(その①:目的意識を持つ)

独学力は「自分で学ぶ力」のことです。この独学力は、問題解決能力に直結します。

プログラミングコンテストを目指す教室any

独学力は3つの要素から成り立っています。

一つ目は「”何かやりたい”という目的意識を持つこと」、二つ目は「目的のために必要な知識は何かを把握し情報収集する力」、そして最後に「必要な知識を限られた時間の中で習得する段取り力(スケジュール管理能力・遂行力)」です。

今回はこの3つの要素の中から、「目的意識を持つ」にフォーカスを当ててご紹介します。

子供の目的意識を奪う「管理主義」

あれしなさい、これしなさいと言われて育った子供は、自分が何をやりたいのか、何に困っているのかと言う問題発見能力が乏しいように感じます。

私自身の幼少期は、両親が商売をしていたり、弟が生まれつき病気だったこともあり、放任主義で育ちました。勉強しろと言われたことは一度もなく、興味の赴くままに生活していた気がします。この経験が私の好奇心と行動力に影響したと感じています。

子供が主体となって生活の様々なことを自ら決めると、その判断に成功・失敗が伴い、次に活かせる知恵になります。この経験を繰り返し積むことが、独学力を育むポイントになります。

本物・プロに触れて「やりたい!」を引き出す

では、子供の主体性を促すために親ができることはないのでしょうか。

その答えは「No」です。一つの方法をご紹介します。それは、お子さんが「かっこいい!」「可愛い!」「すごい!」と思う人を見つけるフォローをすることです。もしすでにお子さんが「かっこいい!」「可愛い!」「すごい!」と思う人がいるのであれば、主体性を持たせてあげる絶好のチャンスです。なぜなら、彼らはすでに憧れの存在に近づきたいとモチベートされており、近く方法を知るきっかけがあれば、自ら勝手に学び始めます。

もし憧れの存在がいないという場合は、「本物に触れる・プロに会う」機会を提示する方法をお勧めします。例えば、歴史的人物や世界的に有名な絵画などが挙げられます。これらの人物・物は、今まで人を魅了し続けてきた要素があるため子供が感動する確率が高くなります。「少しハードルが高いな・・・」と思われる場合は、親御さんの好きなアーティストや作家さん、研究者などでも構いません。そのアーティストや作家さんなどの素晴らしいところを「お母さんは、この人のこんなところがすごいと思うんだよね」とお子さんに紹介してみてください。親子のコミュニケーションの中で、様々な価値観や哲学があることに触れ、人生に興味を持つきっかけになると思います。この「人生への興味」が、様々な目的意識を育ててくれます。

「視野を広げ、本質的に物事を見抜ける能力」を養える簡単な方法

良くも悪くも、子供達はコミュニティ(特に友達)に影響されるものです。そこで、考えたいのは「子供のコミュニティを学校だけに頼るリスク」です。地域や学力だけでフィルタリングされたコミュニティだけが、お子さんの興味のある分野での視野を広げるとは限らないからです。

そこでうまく利用したいのが塾や習い事、ボランティアです。

ボランティア活動は無料で間口が広げられており、多様な年齢層であるため、お子さんの視野を広げることができ魅力的です。

塾や習い事は、お子さんの興味のある分野において同年代で少しマニアック(より深い知識や経験を持つ)友達コミュニティが得られることが魅力です。

様々なコミュニティでの新しい仲間との交流を通して、人生への興味喚起を促してみてはいかがでしょうか。これらの経験が、目的意識を持って本質的に物事をみれる能力開発に大いに役立ってくれます。