未踏ジュニア最終報告会に参加してきました。

こんにちは。プログラミング教室anyの城下です。10/22(火)に未踏ジュニア最終報告会が行われました。この発表会に出席するため、東京駅八重洲口にあるグラントウキョウサウスタワー41Fのアカデミーホールに行ってきました。

あいにくの雨で高層ビルからの景色は霞んでいましたが、アカデミーホールに全国から集まった17歳以下の天才たちの熱気は大変なものがありました。

今回は、その中でも特に光ったプレゼンテーションと、彼ら彼女らの学習方法について考察したいと思います。

未踏ジュニアとは?

まず、未踏ジュニアについてご紹介します。未踏ジュニアとは、一般社団法人未踏が、独創的なアイデアを持つ17歳以下の小中高生クリエイターを対象に実施している支援を指します。具体的には、各界で活躍するPM(プロジェクトマネージャー)やその他専門家による指導、また最大50万円の開発資金の援助を行っており、IT部門の人材発掘・人材育成を目的として2016年からスタートしました。後援には、経済産業省・文部科学省などの顔ぶれもあり、その注目度は年々高まっています。

今年は約130の応募の中から10倍の倍率を経て選ばれた以下13のプロジェクトについて最終報告会がおこなわれました。

  1. リレーマスター
  2. Edge-guided Anime Characters Generation
  3. 編模様(あもーよ)
  4. fresh capsule – 食材管理アプリ
  5. neulot-生体信号を用いたモーションキャプチャシステム
  6. ManageStock – 家庭向け在庫管理アプリ
  7. DetExploit – Windows用OSS脆弱性スキャナー
  8. Tea – 仮想経済シミュレーションプラットフォーム
  9. Mallet – 簡単なアプリを作れるモバイル端末用の開発環境
  10. SmartVJ – 参加型の新しいメディアアート
  11. abecobe – シンプルかつ難しいパズルゲーム
  12. pirka – 会話を通して成長する人工知能技術
  13. VirtualPresents – VR空間をデザインする

大学・大学院レベルの研究結果がゾクゾク・・・

今回は、時間の問題で1)~6)までしか発表を生で見ることができませんでしたが、その内容はもはや大学・大学院レベルの研究内容になっており、とても刺激的で楽しい時間を過ごすことができました。

今回研究した技術をすでに企業に提供している子どもや、自分の作ったアプリを使ってワークショップを開いている子どももいました。また、今回の研究内容をもとに商品化を狙っているものもあり、素晴らしい研究を中学・高校レベルでもできる子供達がいることを目の当たりにしました。

では、この場に選ばれた子供達は神童なのでしょうか。

私の答えは「NO」です。

なぜ、中高生でも大学レベルの研究ができるのか?

この未踏ジュニアで研究の機会を享受できている子供達の注目すべき特徴は3つあります。逆に言えば、この3つのポイントを押さえていれば、未踏ジュニアへの道は決して夢物語ではないと確信できました。

目的思考

学校と違い、未踏ジュニアで採択された13のプロジェクトに関わった子供達は、最初から研究に必要な知識やスキルがあったわけではありません。

つまり、目的を達成するためにどんな知識やスキルが必要なのかを逆算して、必要な知識やスキルを目的に沿って学んでいくステップを取っていました。そのため、目的達成のためにスピーディに必要な知識・スキルの習得に成功していました。

この学習方法については、ギャラリーからも以下のような質問が出て会場を沸かせました。

「学校で学んだことと未踏ジュニアで学んだこと、どちらが役に立ちましたか?」

答えは自明です。

目的に合わせて自分の理解ペースに合わせてオーダーメイド学習する方が、大勢の生徒が理解できるスピードに合わせて学習するよりも、理解度が深く、スピーディに学べることは明白なのではないでしょうか。

この事例からも分かるように、子供の興味のあることについて、最先端の情報(論文や文献など)に触れ、読み解き、追求できる環境整備をしてあげることで、子供の能力を最大限に伸ばせることを証明してくれました。

独学力の高さ(情報収集・読解力)

2つ目が独学力です。独学力には2つのポイントがあります。一つは情報収集力、もう一つは読解力です。

情報収集力とは、目的のために必要な知識やスキルはどのようなものがあるのかをあたりをつけて探し出す力のことです。今回の未踏ジュニアの場合、自分たちが作ろうと思っている(研究しようと思っている)ことに対して、どのような知識が必要で、それらの知識をどのように身につけられるのか、に目星をつけられることを指します。一般的に、これらの情報収集力は個人差はあまりないと言えます。では、情報収集力は何に左右されるのか。実は、この情報収集力の高さは、子供たちを取り巻くメンターの存在に大きく依存します。多くの場合は、先生・親などが当てはまります。

次に読解力ですが、平たく言うと文章に書いてあることを理解する力を指しています。ここは中学・高校生の時点ですでに大きく個人差が出てしまいます。なぜなら、幼い時から文字に慣れ親しみ、文字を読むことに抵抗がない状態になるまでには、長い時間が必要だからです。

しかし、中高生から読解力を高められないかというと、そういうわけではありません。中高生からでも少しずつ文字に慣れ親しみ、文面に書かれていることを理解する経験を積むことで必ず養われてきます。お子さんの興味のある分野で「読む」ことに慣れるようにすることがポイントでしょう。例えば、ゲームが好きなお子さんであればゲームの解説書でも構いません。文章を読むことに慣れていくことが最大のカギになります。

今回の未踏ジュニアで選ばれた子供達の読解力は、皆が高いレベルだったことは言うまでもありません。情報収集力においては、かなり環境に左右されてている印象を受けましたが、未踏ジュニアに選ばれたことによって、様々な業界で活躍するプロジェクトマネージャーのフォローを受けられるようになったことで研究内容が大きく飛躍している印象を受けました。

行動力

最後にあげたいのが「行動力」です。

未踏ジュニアに選ばれた子供達のほとんどが、試作品の作成、試作品のテスト・フィードバックをもらい、それらのフィードバックを経て再度試作品を作り直すと言う地道なステップを踏んでいました。

それらのステップを踏んで、実際にユーザに使ってもらったり、作り出した技術を企業に売り込んでいる子供達もいました。なんと言う行動力!

プログラミングコンテストを目指すany

さて、未踏ジュニアに選ばれた子供達についてご紹介してきましたが、知りたいことや作りたいものが安価で簡単に手に入るようになった今、プログラミングを通して様々な挑戦をしてお子さんの可能性を広げることは、昔ほど難しく無くなっています。

もし、この記事を読まれた方の中に、「プログラミングに興味がある」「ロボットが好き」「読解力がある」「本を読むのが好き」といったお子さんがいれば、未来の未踏ジュニア候補と言えます。

ぜひ一度、anyの体験授業を受けてみませんか?

実は、今回の未踏ジュニアには、anyに通いながら未踏ジュニアを目指している女の子と一緒に出席してきました。この女の子のコンテスト挑戦日記も公開していますので、ぜひ一度ご覧ください。