教育の ICT 化に向けた環境整備5か年計画(2018 ~ 2022 年度)

2020年に小学校でプログラミング教育が義務化されるにあたり、2018年から様々な環境整備が始まっています。そのための予算は5年間で1,805億円と言われています。これらの予算の中で、どのような環境整備が進められるのでしょうか。

文部科学省が、2018年4月に公表した「教育の ICT 化に向けた環境整備5か年計画(2018 ~ 2022 年度)」では、学校教育における以下の点において環境整備を進めていくとしています。

コンピュータの整備

子供達が使用するコンピュータが3クラスに1クラス分ほど整備されます。この数は、子供一人が1日1回は授業などでコンピュータに触れる機会が設けられる台数となっています。

また、プログラミング教育を指導する先生用のコンピュータは一人に1台ずつ整備されます。

大型提示装置・実物投影機

コンピュータの画面を大画面に映し出す大型提示装置や実物投影機を各普通教室に1台、特別教室用に6台配置するとしています。

インターネット環境

インターネットを使用する授業に備えて、超高速インターネット・無線LANシステムが100%整備されることになっています。

統合型校務支援システム

統合型校務支援システムとは、教員の業務負担を軽減と授業内容の質向上を目的に作られたシステムで、平成29年3月1日時点で、全国の学校全体の48.7%で導入されています。

実際に、この統合型校務支援システムを導入したことにより、教師一人当たりの勤務時間数を年間200時間も削減できた事例もあり、プログラミング教育がスタートしても、教師にとって新たな負担が大きならない対策として効果が期待されています。

しかしながら、統合型校務支援システムの調達コストや運用コストが原因で約半数の学校では今でも統合型校務支援システムが導入されていません。この状況を改善すべく、教育の ICT 化に向けた環境整備5か年計画では、統合型校務支援システムを100%整備することを盛り込んでいます。

ICT支援員

もう一つ、教師の負担軽減策として導入が決定しているのがICT支援員です。ICT支援員とは、プログラミング教育が開始されることで現場に導入されるIT機器の管理や準備業務などを専門に行う人を指します。

「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018~2022年度)」では、ICT支援員を4校に一人を配置することが明示されています。

平成30年3月に文部科学表が公表した「ICT支援員の配置を」によれば、「次代を担う児童生徒を育成するこれからの学びを実現するためにICT支援員は不可欠な存在」としています。

教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018~2022年度)より抜粋

その他

ここで紹介した内容以外にも、以下のような整備がプログラミング教育現場には必要だと言われています。

  • 学習者用ツール
  • 学習用サーバ
  • 校務用コンピュータやセキュリティに関するソフトウェア
  • 予備用学習者用コンピュータ
  • 校務用サーバ
  • 充電保管庫