体験授業レポ〜中学2年生、サッカー少年のプログラミング体験〜

ご無沙汰していました。anyの城下です。
9月は光の速さで過ぎ去ってしまいました。毎日、2人の子供たちが保育園から帰ってきて寝るまでの3時間が一瞬です。わたしの体力が限界だと子供と一緒に寝落ち・・・気づいたら朝、なんて事も少なくありません。

そんな目が回るような毎日にも関わらず、ホームステイのホストを務めるという暴挙に出ました。欲張りが止まりません。

そんな毎日でしたが、9月にも体験授業に来てくださった方がいらっしゃいました。そのエピソードをご紹介したいと思います。

受講生のプロフィール

体験授業に訪れたのは、中学校2年生の男の子。最初は、口数が少なくクールな印象でした。しかし、話をする中で、部活でサッカー部に所属しスポーツ少年の一面もあり、たくさんの友達に囲まれている様子が伺えました。

今回、anyの体験授業に参加していただいた理由を伺うと、実は小学校の時にロボットプログラミング教室に通っていた経験があり、たまたまanyのチラシをご覧になったお母様が、「中学生向けのプログラミング教室が近所にあるなら、一度体験授業を受けさせてみよう」と考えられ、お申込みに至ったということでした。

意外に少ない「中学生向け」プログラミング教室

プログラミング教室は年々増加傾向にありますが、「小学校の頃に通っていたプログラミング教室を、中学校に入るタイミングで辞めてしまう」というお子さんは意外に多いのが現状です。

というのも、プログラミング教室の多くが小学生向けのブロックプログラミングをメインに教えているためです。
ブロックプログラミングは、


1)タイピングができなくても動かせる
2)英語がわからなくても動かせる
3)プログラミングが動く仕組みを知らなくても動かせる


というメリットがありますが、逆に中学生には簡単すぎて面白さに欠けたり、発展性に欠ける一面があります。

そのため、「ブロックプログラミングをこのままずっと続けても・・・」と考えてしまう生徒さん・親御さんが多いことが、中学生になるタイミングでプログラミング教室を辞める理由になっているのでは・・・と分析しています。

では、なぜブロックプログラミングの教室ばかりが増えているのでしょうか。

小学生向けのプログラミング教室が増えている理由

一つは、2020年にスタートする小学校でのプログラミング教育の義務教育化が影響していると考えられます。

しかし、実のところもう一つの原因の方が大きな影響を与えていると考えます。それは、多様なプログラミング言語を教えられる人員の少なさです。

「ゲーム」「ウェブアプリ」「スマホアプリ」など、作るものによって適したプログラミング言語があります。そのため、お子さんの興味関心に合わせて授業を行うためには、教育者側に専門的な知識が網羅的にある必要がありますが、そのスキルを持つ人はまだ少ないのが現状です。

こういった背景もあり、中学生向けのプログラミング教室はなかなか増えづらい状況にあると考えます。

「将来の夢」は「ロボットに関わる仕事」

さて、今回体験授業に来てくれたサッカー少年ですが、中学校に進学することで生活環境が大きく変わるため、それまで通っていたプログラミング教室を一旦辞めた経緯がありました。

小学校の頃に通っていたロボットプログラミング教室では、説明書の内容に沿ってロボットを組み立て、プログラミングをしていたそうです。

プログラミングした通りにロボットが動く面白さが忘れられなかったこのサッカー少年に「将来の夢」を聞いてみると、「ロボットに関わる仕事がしたい」という回答が返ってきました。

実は、多くのお子さんに将来の夢についてヒアリングしているのですが、このサッカー少年のようにはっきりとした夢を持っている子はなかなかいません。それだけ、このサッカー少年にとってロボットプログラミングは特別なものだということが伝わってきました。

しかし、この驚きはまだ序の口だったのは後になってわかります。。。。

答えを導き出した、サッカー少年

anyでは、生徒さんが分からない部分があってもすぐに回答を教えることはしません。回答を教えればすぐに正しい想定通りのプログラムが書けるようになります。しかし、anyでは「分からない→分からない部分を整理する→うまくいかない原因を予想する→試してみる」という、プロのプログラマーが日々やっているステップを踏むことを重視しています。その理由については、後述します。

今回、体験授業に参加してもらったサッカー少年も、プログラミング体験の中で想定した動きにならない場面が発生しました。この時も、「分からない→分からない部分を整理する→うまくいかない原因を予想する→試してみる」というステップを踏んでもらいました。

とはいうものの、初めての体験授業では、根を上げてしまうのが一般的です。私は、教えるタイミングを図っていました。しかし、サッカー少年は私の予想を良い意味で裏切ってくれました。

なんとサッカー少年は、何が原因なのか自分で考え、試す中で、実際にプログラムのバグ(プログラムが正しく読み込まれない部分)を修正して、想定した通りにプログラムを動かすことに成功したのです。

このようなケースはとてもレアなので、私はおもわず「すごい、すごい」と連呼してしまいました。この体験授業を通して、”このサッカー少年は「自分で考える癖」が既についているのだなぁ”と感じました。

上手くいかない事を「自分の力で」成功させる価値

今回のケースのように、初めからできる生徒さんはなかなかいませんが、「できなかったことができるようになる」という成功体験を積めば、少しずつ身についてきます。

これらの成功体験を積む事で、何かうまくいかなったり、失敗したりすることがあっても、「きっと原因を突き止められる、きっとうまくいく」という粘り強さやポジティブシンキングに繋げることができます。このスキルは、一生ものです。お子さんが受験や就活、社会人になってもずっと活かすことができます。

anyはプログラミングコンテストを一つのゴールにしていますが、その理由もこの成功体験を積むことに由来しています。

サッカー少年が挑戦している「プロフィールサイト」作り

実は、今回、この体験授業を受けてくれたサッカー少年は、体験授業当日に入会してくれることが決まりました。本当に嬉しいです。

現在は、実際の授業で自分のプロフィールサイトの制作に取り組んでいます。

このプロフィールサイトは、自分専用のサイトを指します。実際に、経済産業省が後援している「未踏ジュニア」に選ばれたYuki Mihashiさんも、自身の作ったプロダクト紹介などをプロフィールサイトで行なっています。

このようなプロフィールサイトを作る狙いは、「出来ることを出し惜しみしない」ことにあります。

例えば、今後、受験や就職活動など、限られた時間で自分を知らない人に自分を知ってもらわなければならない時、「百聞は一見に如かず」で、このプロフィールサイトは大いに役立ってくれるでしょう。

これからサッカー少年が作るプロダクト情報は、全てプロフィールサイトに掲載していくことになります。そうすることで、作ったプロダクト毎に、

  • どう言った想いが詰まっているのか
  • 何に苦労したのか
  • どんな工夫をしているのか

と言ったことまで、第三者に伝えることができるようになります。

このようなプロフィールサイトがあることで、このサッカー少年の粘り強さや創意工夫の内容、人となりまで第三者に伝えることができるようになります。

このメリットは計り知れません。

体験授業を受けてみませんか?

プログラミング教室「any」では、体験授業を行っています。今回のように中学生だけでなく、小学生も受講可能です。(小学生体験レポートはこちら)

ご興味のある方やご質問のある方は、お気軽にお問い合わせください。

ホストファミリーを体験

こんにちは、プログラミング教室「any」の城下です。

9月は「何となく新しい事に挑戦したい」と思っていました。そこにたまたま国立市の市報でホームステイのホストファミリーを募集していたので、早速応募してみることに。

幸か不幸か、応募は受理され、あれよあれよと言う間にホームステイの当日を迎えることになりました。

実際にホームステイに来てくれた方

ホームステイのホスト役と聞くと、流暢に英語を話せる人・海外で生活した経験のある人などを想像しますが、私はそのイメージとは程遠い人言です。帰国子女どころか、大学進学とともに九州の片田舎から東京(調布市)に出てきた標準語さえおぼつかない田舎ガールでした。英語は、はっきりいって苦手です。

そんな私がホームステイのホスト役に応募した事は、一言で表すなら「暴挙」以外の何物でもありませんし、実際ホスト役を体験してみて、「やはり暴挙だったなぁ」と痛感させられましたが、収穫もありました。

日本人はどうしてハードワーカーですか?

ホームステイに来ている海外の方からの質問コーナーで、「日本人はどうしてハードワーカーですか?」と言う問いかけがありました。

たくさん出た質問の中で、何故かこの質問が私の胸にズーンとのしかかりました。まさに、私がその問いかけを自分に持っていたからです。

増え続ける共働き世代

日本では、年々共働き世帯が増え、平成9年以降は専業主婦世帯を超えています。

そして、以下のグラフからもわかるように、女性が家事にかける時間は3.45時間となっています。つまり、家で就寝以外のほとんどの時間を家事に割いているという状況です。さらに子供がいる場合は、家事時間に「育児」が重くのしかかっているのは周知です。

何が言いたいのかと言うと、

「日本人はどうしてハードワーカーですか?」と言う質問の続きには、「日本人はプライベートな時間をどうして大切にしないのですか?どうして楽しまないのですか?」と言う海外の方の思いが見え隠れしているように感じました。

実際に私自身も、「私はどうして子供達の成長や言葉にもっとゆっくり耳を貸そうとしないのか、こんなに余裕がないのか」と自問自答して毎日を過ごしています。

しかし、ホームステイでの経験から、「もっと子供との時間を大切にしよう、楽しもう、工夫しよう」と思えるようになりました。

失敗を恐れないで、話して話して話し続けろ!

もう一つの発見は、「英語がうまくなるTips(コツ)は?」と言う質問に対して留学生が答えていたこの言葉です。(ホームステイに参加した方の多くは、英語を第二言語として習得した方々でした)

「とにかく失敗を恐れないで、話して話して話し続けろ!」

正直、この言葉を聞くまでは、英語の苦手な私はホームステイを受けたことを少し後悔していました。あまりにも英語が聞き取れないからです。そして言いたいことが英語にできない!

でも、この留学生の言葉を聞いて「できる範囲の英語で挑戦して頑張ろう!」と思いました。

「失敗が大切とわかっている事」と「失敗を恐れずに挑戦できること」は同意ではありませんでした。猛省しました。

と言うのも、普段、私が開いているプログラミング教室では「失敗しても恥ずかしがらなくていいんだよ、どんどん失敗しよう。失敗するのが当たり前だよ。最初から成功する人なんていないよ」と耳にたこができるほど言っているのです。にもかかわらず、いざ、自分が失敗する立場になると、怖くて怖くて英語が話せなくなっていました。

そこには「挑戦しようと言う勇気」と「失敗した時に相手を不快にさせない茶目っ気」が大事だなぁと留学生たちを見て学ばせてもらいました。

今回、留学生と私たちを引きあわせてくださったのは国立市で20年以上もボランティアで活動されている「ホストファミリー・くにたち」の皆さまです。

もし、ホームステイにご興味のある方は、ぜひお問い合わせしてみてください。

プログラミングガールのコンテスト挑戦日記

こんにちは。プログラミング教室「any」の城下です。

8月は、2人の子供が五月雨式に風邪やら手足口病やらにかかってしまい、保育園に半分ほどしか預けられなかったので、やりたいことが全く進まず本当に大変な時期でした。子供が小さいと保育園に預けていてもなかなか思うようにいかないことが(しかも立て続けに!)おこります。

この世で働くママ共通の悩みではないかと思いますが、悪い事ばかりではありませんでした。

実は8月に体験授業を受けた中学校2年生の女の子が、プログラミングコンテストへの挑戦をスタートしました。

以前のコラムでも紹介した通り、この女の子は小学校5年生からScratchと言うブロックプログラミングを始め、今ではハンダゴテを使いながらAruduino+C言語でロボット製作など本格的なプログラミングにも親しんでいます。

そんな彼女は、9月から約半年という限られた期間の中でアプリケーション(アプリ)を作りコンテスト出場を目指しています。

この半年の間にしなければいけないことは山のようにあります。限られた時間の中で、自分の目標を達成するために3つのポイントについて彼女と話し合いました。

挑戦(1)新しいプログラミング言語を習得する

実はすでにこのプログラミングガールは、コンテストに出したいプロダクトについてアイディアがあり、そのアイディアを実現するためには新しいプログラミング言語を習得する必要があると感じていました。そこで、まず決めたことは、9月中に新しいプログラミング言語を習得することでした。

しかし、9月中にプログラミング教室「any」に通える回数は限られています。そこで、すでに独学できる力を持っているプログラミングガールの強みを生かし、新しいプログラミング言語は自宅学習をメインに進めることにしました。

挑戦(2)巻き込み力を培う

プログラミングコンテストで選ばれるためには、優れたプロダクトを作成する必要があります。では優れたプロダクトを作るためには、どんなプロセスを踏む必要があるのでしょうか。その答えの一つが、人を巻き込んでプロダクトを精査するというステップです。

プログラミングは、企画から制作まで一人で完結できますが、それだと独りよがりなプロダクトになりかねません。作った物やサービスが多くの人を魅了して、たくさん使われることで、個人の持つプログラミングスキルや知識、そしてプロダクトそのものも初めて価値を持ちます。

それらを達成するために、プロダクトを完成させるまでに様々な人の意見をヒアリングする事・実際に使ってもらう事をプログラミングガールと話し合いました。

このように、様々な人にとって価値を提供できるプロダクトづくりを念頭に置くことで、問題発見力がつき、自分以外の人々がどんなことに興味があるのかを考えるようになります。この思考回路は、社会に出ても大いに役立つと考えています。

挑戦(3)プレゼン力を培う

プログラミングコンテストに出場するためにはいくつかの審査があります。厳しい言い方になりますが、どんなに素晴らしいモノやサービスが作れても、その素晴らしさが伝わらなければこの世に無いも同然です。

しかし、もともとプレゼンテーションが得意な人はほんの一握りです。まして、中学生ともなれば不慣れで当たり前です。そこで、魅力を100%伝えらえるようなプレゼン力を経験を積み重ねることで培っていけたらいいねという話をプログラミングガールと話し合いました。

このようにして始まったプログラミングガールのコンテスト挑戦ですが、これから様々な壁にあたりながら進んでいくことになると思います。

大変な時も苦しい時も出てくると思いますが、それらを乗り越えるからこそ、人生が開かれる機会を手にできると感じています。

ぜひ、このコラムをご覧の皆さんもプログラミングガールを応援していただければ幸いです。

体験授業レポ〜幼稚園年長、博学ボーイ、障害物回避の仕組みを解読!〜

 今回、体験授業に参加してくれたのは幼稚園年長組の男の子。好奇心旺盛で、一橋大学でクワガタ・玉虫など昆虫採集をしたり、段ボールを使った工作や折り紙に励んでおり、興味のあることには何時間でも取り組める集中力を持っていました。

将来は「恐竜を発掘する人になりたい」という夢も持っており、様々なことに興味を持つだけでなく、自らの体験を通して知識を深めることができる男の子でした。

写真はイメージです

この男の子は、以前国立駅で行っていたロボットプログラミングを見た事をきっかけに自らプログラミングに興味を持ち、”ロボットを作ってみたい”とお母様に伝えられていたそうです。そして今回、チラシをご覧になったお母様が「any」のブログなどを読まれ、「ロボットプログラミングが学べる点」だけでなく、「生きる力」を培える要素があるのでは?と感じていただき、体験授業に申し込んでいただきました。

実は、プログラミングに自ら興味を持って始める子どもは少ないのが現状です。多くは、プログラミングの必要性を親御さんが感じ取りお子さんに進めるケースがほとんどです。これには大きく2つの理由があります。それは、

  1. プログラミングの面白さに触れる機会が少ないため
  2. プログラミングの面白さを”見ただけ”で感じることが難しいため

という点です。

プログラミングの面白さに触れる機会は、都心かつ教育熱心な方が集まるエリアほど多いと言えます。そのようなエリアではプログラミング教室が早い段階から開設されており、門下がひらかれています。国立もその中の一つといっていいでしょう。

しかし、そのような機会がありながらもお子さんが自らプログラミングに興味を持つのはなかなか難しいことです。その理由が先に挙げた「2.プログラミングの面白さを”見ただけ”で感じることが難しいため」です。体験を通して初めてプログラミングの面白さに気づかれるお子さんがほとんどなので、anyでは体験授業を必ず受講いただくようにお願いしています。

逆に今回の男の子のように「自分からプログラミングに興味を持つお子さん」は稀有です。実際に、体験授業を通してこれからの伸びを大いに期待できると感じました。なぜなら、体験ベースの知識や知恵や考察力が素地として備わっていると感じる場面が多くあったからです。そして、その素地があるからこそ、普通のおもちゃより圧倒的に複雑なロボットにも自ら興味を持つことができたのでは・・・と感じました。

次章では、そのエピソードについて触れたいと思います。

壁に激突する障害物回避ロボットから何を学び取れるか〜失敗は学びの宝庫

体験授業では、「ロボットを作りたい」という明確な希望があったので、障害物回避ロボットを使用しました。

体験授業で使用した障害物回避ロボット

実際に以下の点についてArduino(アルドゥイーノ)で書かれたプログラムを書き換えてもらいました。

  • ロボットのスピード変更
  • 障害物を察知する距離の変更
Arduino(アルドゥイーノ)障害物回避プログラムの一部

プログラミング初心者だった男の子は、キーボードの操作に慣れていませんでしたが、カーソルの位置がどういう意味を持つのか、どうやったらカーソルを移動できるのかを何度も試しながらすぐに習得していました。

1.障害物回避ロボットとコウモリの共通点に気付いた男の子

実際に様々なプログラムを試す中で、想定していた動き通りにならない事態が発生しました。

例えば、障害物を察知できずにロボットが激突する場面がありました。ある場面では障害物を察知しうまく回避できるのですが、ある場面では障害物を察知できずに激突してしまう・・・。このような場面を何度か繰り返す中で、「障害物を察知する場合としない場合は、何が違うんだろうね」と問いかけてみました。

実はこの質問を問いかけた時、幼稚園年長の男の子には難易度が高すぎるかな・・・と少し心配していました。というのも、この原理を理解するには正確には中学校レベルの物理の知識が必要だからです。

・・・が、男の子は瞬時に「障害物の角度」が影響していることを言い当てました。そして、障害物回避ロボットが超音波を使って障害物を察知していることを伝えると、「コウモリと一緒だ!クジラもそうだよ!」と教えてくれたたのです。

2.ロボットスピードと障害物回避距離の関係に気付いた男の子

また、ロボットが障害物を回避する距離とロボットの動くスピードの組み合わせを試す中で、障害物を回避できないケースが発生した際も、男の子は鋭い洞察力で「障害物を回避できる回避距離とスピードのパターンがあること」を見抜き、私を驚かせてくれました。

これらの事例からも分かるように、博学ボーイはロボットプログラミングを初めて行うにも関わらず、ロボットの挙動に必要な知識や知恵をすでに備えていました。この博学ボーイの知識量の多さ、物事の共通点に気づくことができる洞察力を育む要素は、工作や昆虫採集など自分の好きなことを通して「うまくいかないこと」「想定通りでないこと」に慣れているからではないかと想像しています。

ロボットを動かす上でも、実際に想定通りの動きをするまでトラブルが発生することがほとんどです。そのため、自分だけでは解決できずに途中で投げ出してしまうケースを多く見てきました。私自身もこのステップを多く踏んで今に至ります。しかし、このステップをうまく乗り越えらることでしか学べない点が多くあります。

失敗からしか学べないこと

想定通りにいかないことはとてもストレスです。しかし、「どうしてうまくいかないのだろう」「これが原因かな?」「じゃあここを変えて試してみよう」を繰り返していく中で、「うまくいった!」という経験ができると、うまくいかないことを逆に面白がれるようになります。

「うまくいかないことに対処する」経験を積むことで、ロボットプログラミング以外の様々な知識も頭の中に入ってくるようになります。

博学ボーイのケースからも御察しの通り、失敗は学びの宝庫です。そのため、「any」では失敗を大いに歓迎しています。最初から正解することや早く正解することより、失敗を恐れずに「こうすればうまくいくかな?」と試す経験を積み重ねることに重点を置いています。なぜなら、失敗からしか学べないことがあり、それが生き抜く力に通じていると自分の経験から感じているからです。

私たち大人が子供だった時代、「多く正解すること」「早く正解すること」が求められてきました。そのため、私を含め親の世代は子供達が失敗をし続けることを容認できない節があります。しかし、人生は山あり谷ありで、成功するときもあれば失敗するときもあります。正解だけを子供達に求めていると、子供達がいざ人生で壁にぶつかった時にどう対処すればいいのでしょうか。

プログラミング教室「any」では、プログラミングの知識やスキルだけでなく、”失敗してもいいんだよ””うまくいかないことって実は深くて面白いよ””失敗しても何とかなるんだよ”ということも学んでもらえたらと考えています。

体験授業を受けてみませんか?

プログラミング教室「any」では、体験授業を行なっています。お子様のご興味や学び方のくせなどをヒアリングさせていただいた上で授業を進めるため、プログラミングに対するモチベーションが高まり、教えられたことだけやるのではなく、自らの発想を実現化するための手段としてプログラミングを学べるようカリキュラムを組んでいます。

そして、身につけたスキルや知識を活かす場として、コンテスト出場を一つのゴールとしています。

ご興味のある方やご質問のある方は、お気軽にお問い合わせください。

体験授業レポ〜中学2年生、プログラミングガール、コンテストを目指す?!〜

今回、体験授業に参加してくれたのは中学2年生の女の子。小学5年生からずっと続けているプログラミングスキル(Scratch、C言語)を生かして更にレベルアップするために、お父様がメンターとなる存在をお探しでした。

そのタイミングで「any」のチラシをご覧になり、体験授業をお申込みいただきました。

体験授業の受ける前に、お父様からプログラミング経験があることを伺っており、今後はラズベリーパイを利用して便利なガジェットを作りたいという目的を明確にお持ちでしたので、体験授業の内容はラズベリーパイ(使用したプログラミング言語はpython)を使用した様々なプログラムを体験してもらいました。

プログラミング教育に興味を持ったきっかけ

このプログラミングガールは、小学校5年生からプログラミングをスタートしていますが、そのきっかけはお父様だったそうです。

2020年から小学校でプログラミング教育が義務教育化されますが、そのことを知ったお父様は危機感を感じられたと言います。

それは、”我が子が社会に出た時に、後輩にあたる子供達はITスキルを当たり前に使いこなせるようになっている。そんな時代に我が子がITスキルを身につけられていなかったら・・・”というものでした。

実はあまり知られていませんが、2020年のプログラミング教育の義務教育化を待たずに、先行してプログラミング教育をスタートしている小学校があります。

国立市内でも、国立市立第四小学校は東京都教育委員会によて「プログラミング教育推進校」に指定されてプログラミング教育をスタートさせています。(東京都教育委員会は、都内の75校をプログラミング教育推進校に指定しています)

つまり、現在小学校高学年以上の子供達は、今後ニーズの高まるプログラミング思考やスキルを身につけられる教育を受けづらい世代だと言えるのです。

そして、その点を懸念に感じていたお父様は、プログラミングの義務教育化を待たず娘さんにプログラミングの機会を与え、その結果、プログラミングガールは、問題解決する力を自ら培えるまでに成長していました。

体験授業で「any」が提案したこと

体験授業では、お子さんの得意分野や強みについてもヒアリングしています。というのも、お子さんの特性に合わせてカリキュラムを組むことが能力を伸ばすのにもっともスピーディで知識の定着が高いと感じているからです。

ヒアリング内容から、体験授業に参加してくれたプログラミングガールは、すでに以下のような強みを持っていました。

  • プログラミングの基礎知識があること
  • プログラミングへの興味関心が高いこと
  • プログラミング経験を通して問題解決能力が高いこと
  • 集中力があること
  • 自宅でもプログラミングに親しんでいること、環境が整ってること

そこで、『プログラミング教室「any」が提供できる価値は何か?』と考え、以下の点を提案しました。

  • 来年の4月、プログラミングコンテストに出場すること
  • 問題発見力を培うこと
  • それまでにプログラミングガールが学びたいと思っているラズベリーパイ(言語:Python)とWebサービスに関する基礎知識を習得すること

体験授業の内容

以上のことを踏まえ、体験授業はラズベリーパイを利用してPythonで書かれたプログラムを体験してもらいました。

  • Python-カメラを起動して撮影ファイルを保存
  • Python-顔認識した時のみカメラ撮影し、その画像データをウェブサイトに自動で公開
  • Python-天気予報データを音声変換しスピーカー出力

体験授業を終えて、プログラミングガールにどのプログラムが一番面白かったか聞いてみると、最後に実施した「天気予報データを音声変換しスピーカー出力するプログラムが面白かった」と笑顔で答えてくれました。

体験授業を受けてみませんか?

プログラミング教室「any」では、体験授業を行なっています。お子様のご興味や学び方のくせなどをヒアリングさせていただいた上で授業を進めるため、プログラミングに対するモチベーションが高まり、自らプログラミングを学べるようになります。

ご興味のある方やご質問のある方は、お気軽にお問い合わせください。

未来予想図〜メーカーはもう要らない?〜

個人向けメーカーと聞いて、まず頭に浮かぶのはトヨタやソニーやパナソニックといった大手企業ではないでしょうか。これらの企業では、様々な商品について顧客ニーズを調査し、新商品を企画し、大量生産しています。

しかし、「このようなプロダクト生産の流れは淘汰されて行く」というのが私の見立てです。(メーカーが消えるということではありません)

結論から言うと、メーカーの果たしていた機能はクラウドファンディング等を利用したベンチャー・グループ・個人が代替していくと考えます。一つ事例をご紹介しましょう。

市場価格の半額以下!注目が集まるクラウドファンディング

まずは、最近クラウドファンディングで「目標金額30万円に対し5324万円の資金調達を達成」したキーボードの事例をご紹介します。

参照元:Makeup https://www.makuake.com/project/taptek/

このキーボードは、クラウドファンディングによって、4000人の心を掴み、その結果5,300万円以上の資金を調達することができた事例になります。

このように、企画した商品が素晴らしく、実際に作り上げるプログラミング能力があれば、大手メーカーに就職しなくても、世の中にインパクトを与える商品を生み出すことができるようになっています。

また、生産者(ここではクラウドファンディングによって資金調達した側)とユーザーの距離が近いため、改善スピードも早く、より良い商品が次々に商品化されています。

このようなベンチャーメーカーが台頭してくることで、大手企業メーカーは変革を迫られるのは言うまでもありません。

欲しいものを”当事者”が作る時代

このような動きは、今後ますます加速化するでしょう。

その背景には、プログラミング能力の高い個人が増え、かつ個人でプロダクトできる環境が整いつつあるためです。例えば家庭用3Dプリンタを使えば、100円均一に売っているような収納ボックスは簡単に作ることができます。

なので、将来的には、ある主婦が「キッチンのあの場所にシンデレラフィットする収納ボックス。しかも真っ黒でカクカクしたデザインのものが欲しいんだけどなかなか売っていないんだよな〜」と思えば、自宅でデザインをして自宅で製作する未来は夢ではありません。

また、クラウドファンディングなどの仕組みによって、資金調達が容易にできるようになりました。「当事者が欲しいものを当事者が作る時代」は、もうそこまで来ています。

時代を先取りしている家電メーカーはソニー

実は、「当事者が欲しいものを当事者が作る時代」になることに気づいて動き出している企業があります。それは「ソニー」です。

ソニーはプログラミング学習キット「KOOV」を発売しています。KOOVは、プログラミングが初めてでも親しみやすいという特徴があります。これらのプログラミングキットを発売していることが、「当事者が欲しいものを当事者が作る時代」とどう関係してくるか説明しましょう。

近い将来、多くの子どもたちが言葉を操るようにプログラミングできる時代がきます。すると、個人はちょっとした電化製品くらいなら自作するようになるでしょう。そんな時代が到来した時、メーカーに求められるのは、個人が簡易的なプログラミングによってカスタマイズができる商品を作ることではないでしょうか。

そういう時代になった時、いち早く個人がカスタマイズできる商品をこの世に送り出せるのは、間違いなくソニーです。なぜなら、プログラミングキットの運用により、電化製品とプログラミングキットと商品をドッキングするノウハウがあるため、開発スピードが最も早くなるためです。

また、個人のプログラミングデータをキットを介して収集できれば、AIによる自動カスタマイズの精度をもっとも高く提供できるようになります。

現在、自動運転などの分野では世界に遅れをとる日本ですが、家電分野でのデータプラットフォームをいち早く独占できれば、日本メーカーの返り咲きは夢ではありません。

これらのことを踏まえて、ソニーがこの「KOOV」を発売している意味を考えると、プログラミング能力の価値がより鮮明になるのではないかと思います。

プログラミング能力で開花する子供達の未来

プログラミング教室「any」では、プログラミングコンテストを一つのゴールとしているので、様々なコンテストの受賞者についてコンスタントにリサーチをしています。

子供達が作ったプロダクトやWebサービスを見て感じるのは、「未来は明るい」ということです。自由な発想で、既成概念にとらわれることなく繰り出されるプロダクトやサービスには、大きな可能性を見出さずに入られません。コンテストの会場では、子ども一人ひとりの能力に周囲の大人たちが大いに魅せられています。

こどもエンジニアもんだいかいけつアイデアコンテスト受賞者のアイディア
「身近なところから問題を発見する力とアイデアの優しさに、事務局の大人たち全員の心が癒されました。そのネーミングセンスにも脱帽です! 」コンテスト事務局コメントから
https://makezine.jp/blog/2018/08/kodomo_engineer-2.html

そして、自分たちが作ったプロダクトやWebサービスが、社会で認められ評価され利用されることが、子供達のモチベーションに火をつけています。

自分の能力を信じ、評価してくれる人がいる。しかも自分の得意な分野で活躍できる。そんな子供達の明るい未来の実現は、「プログラミング能力」によってグッと確率が上がることは言うまでもありません。

そんな子供達が増えていけば、今起こっている混沌とした複雑な問題も、日本から解決できる日が来るのではないか、、、と感じる今日この頃です。

体験授業レポ〜小学校5年生、トリリンガルガールのプログラミング体験〜

体験授業のレポートをご紹介します。

受講生のプロフィール

体験授業に訪れたのは、小学校5年生の女の子。現在は海外にお住まいで、英語・日本語・母国語を使い分ける「トリリンガル・ガール」でした。

※写真はイメージです。

穏やかな印象でしたが、話を聞くとスポーツ好きの一面も。今は、乗馬を始めテニスや体操教室にも通っているそうです。

今回は一時帰国中に「any」のチラシをご覧になったお母様が体験授業に申し込んでくださいました。

プログラミング教育に興味を持ったきっかけ

きっかけは、2年ほど前にお母様が「プログラミングが将来役に立つのでは・・・」と感じたことから始まりました。”何かきっかけがあればプログラミング教育を受けさせたいな・・・”と思っていたお母様は、現在お住いの国でのプログラミング教育について調べられたそうです。

しかし現状は、

  • プログラミング教育はまだ義務教育化されていないこと
  • お住いのエリアにプログラミング教育を受けられる塾がないこと
  • 学校にプログラミングのクラブがあるものの現在の習い事とスケジュールが合わないこと

などの理由で、この2年間、プログラミング教育を受ける機会から遠ざかっていたそうです。

そんな中、「any」のチラシを目にしたお母様は、”プログラミング教育への火が再燃し、帰国までの間に一度授業を受けさせてみたいと思った”とおっしゃってくださいました。

体験授業の流れ

1.お子さんの個性を知るためのヒアリング

体験授業は、まずお子さんの性格や好き嫌いに関するヒアリングから始めています。この背景には、「any」が大切にする「個性を伸ばす」という思いがあります。個々を重んじることで「学びたい」という土台をしっかりと形成できるようになります。

2.プログラミング授業

次に、実際にプログラミングを体験してもらいました。今回は、プログラミング経験が2回目ということを踏まえて、以下の内容を重視することにしました。

  • プログラミングでできることを体験を通して知ること
  • プログラミングに興味を持ってもらうこと
  • もっと自分でやってみたいと感じてもらうこと

以上を踏まえ、3つのカリキュラムに挑戦してもらいました。

AIで「手書き文字」を画像判定

手書きボードに書いた文字をAIを使って自動判定し、判定内容に沿って画像を表示するプログラムを体験してもらいました。例えば、「apple」と書いたボードをAIに画像認識させ、appleと認識したら「りんご」の画像をパソコン上に表示させるというものです。

次に、日本語モードから母国語モードに切り替え、AIが画像判定できるか試してもらいました。判定結果が思惑通りの動きをした時、女の子はとても嬉しそうでした。

次に、好きな手書き文字を画像認識し、好きな画像を表示するプログラムを作ってもらいました。今回は、手書きした自分の名前を画像認識させ、蜂の絵を表示させるプログラムを書いてもらいました。

最後に、音声認識プログラムを作ってもらいました。具体的には、母国語で自分の名前や単語の名前を音声認識させるプログラミングです。最初はうまくいかないこともありましたが、最終的に思い通りに音声認識した時、女の子もお母様もとても驚いていました。

Codey rocky(ロボット)障害物回避

障害物を避けるようにプログラムしたCodey rocky(ロボット)を使い、小学校5年生の女の子・お母様・私の三人でロボットがテーブルから落ちないようにするゲームをしました。

Codey rockyは、障害物を検知するまで直進し続けるので、三人で力を合わせてCodey rockyがテーブルから落ちないようにするのはスリリングで楽しい時間でした。

「障害物を検知すると左に90度回る」というプログラムがされていたのですが、「右に回るようにプログラミングしてみよう」と提案すると、女の子は「角度も変えてみたい」と自ら書き換えて様々な動きを試していました。

始めは、どのようにプログラムを書けばいいか不安な様子でしたが、お母様からのアドバイスを参考にしたり、自分でそれぞれのブロックの役割を予想しながら、プログラムを書き換え、試行錯誤しながら、プログラミングの楽しさを体験を通して学ばれていました。

想定する動きにならなくても、「どうしたら想定する動きになるのか」と自ら考え、プログラムされたそれぞれのブロックを読み解き書き換える・・・を繰り返していました。

そして最後には「ウインクしながら障害物を避けるプログラム」を完成させていました。すごく可愛いかったです!

今回は時間が限られていたので省略しましたが、実際に授業を進める中では、「ロボットはどうやって障害物を検知しているのか」について学ぶ機会を設けています。

この原理がわかることで「どんな障害物なら検知できてどんな障害物だと検知できないのか」を学びます。そして学んだ知識を元に「テーブルから落ちないようにするプログラム」を自ら考えて作り出せるようになります。

Codey rocky(ロボット)で感情表現

このセッションでは、ロボットの表情と動きをプログラミングしました。Codey rockyには、感情表現ができる動きがいくつか用意されているため、それらのブロックを組み合わせるだけで、愛らしい表情や動きをするロボットを作ることができます。時には、怒ったり・笑ったり・目をくるくる回したり・・・。

女の子は、ロボットにどんな感情を表現させるかプランニング・実行することで、プログラミングを感覚的に楽しみながら学んでいました。

体験授業を終えて

今回、体験授業を受けた小学校5年生の女の子に、プログラミングについて聞いてみたら、はにかみながらも「Codey rockyをまたやってみたい」と言ってくれました。お母様ともお話をして、今後は、帰国後にスカイプなどを使って授業を受けることが決まりました。

体験授業を受けてみませんか?

プログラミング教室「any」では、体験授業を行なっています。お子様のご興味や学び方のくせなどをヒアリングさせていただいた上で授業を進めるため、プログラミングに対するモチベーションが高まり、自らプログラミングを学ぶことを主眼にカリキュラムを組んでいます。

ご興味のある方やご質問のある方は、お気軽にお問い合わせください。

子供の独学力を育む方法(その③:段取り力)

前回前々回に続き、3つ目の要素である子供の独学力を育む方法についてご紹介します。今回は、段取り力についてです。

独学力の要素で最も重要な「段取り力」

最後に紹介する独学力の要素は段取り力です。

社会に出ると、どんなに素晴らしいアウトプットも期限内に仕上げられないとただの自己満足で終わってしまいます。そのため、独学力を鍛える上で「段取り力」は非常に重要なポイントになります。

しかし、一般的に小学生の場合、自分の意思で期日を設けて新しいことを計画・実行する機会はそれほど多くありません。そもそも自分の意思で何かを始めようとする小学生がレアケースなのではないかと思います。なぜでしょうか。

それは、小学校などで画一的な教育がメインになっていることが影響していると思われます。一人一人の興味関心ごとに授業のペースや内容を最適化する手段がないために、クラス全体の平均的ペースや学習指導要領のペースが優先され、個々の子供達にフォーカスできないためです。

段取り力を鍛える方法

家庭ですぐできる段取り力を鍛える方法についてご紹介します。

段取り力が鍛えられる方法

1)旅行プランを子供に作ってもらう

夏休みやGWを利用して旅行に行かれるご家庭も多いと思います。そんな時は、1週間前から旅行ガイドを用意して旅行プランをお子さんに作ってもらいましょう。その際に、以下の点について決めてもらうようにしましょう。

  • 目的:みんなが楽しめる旅行にする
  • 場所:どこに行くと誰が喜ぶのか
  • 時間:どの時間帯に行くと一番楽しめるか(混んでいる時間帯を避けられるか、ハッピーアワーなど料金がお得なプランがあるか等)
  • お金:予算内で旅行プランを作る

この旅行プランを作る過程で、目的に沿った場所の選定ができるようになります。また、自分だけでなく家族全員が楽しめる旅行について意識が向くようになり、かつお金について考えるようになります。このような経験を繰り返すことによって、自分以外の人の視点やお金といったことまで視野を広げて物事を考えるようになります。

また、旅行から帰ったら、撮った写真やパンフレットなどをまとめてみると良いでしょう。旅行の思い出を振り返るだけでなく、旅行プランのどの部分に改善があったか、次の旅行はどんな点を改善できるかについて話し合ったりまとめたりすると、段取り経験値が積めておすすめです。

また、旅行記としてインターネットで公開できると、たくさんの方の目に触れて社会からのフィードバックが得られておすすめです。家族以外の人から感謝される経験は、何物にも代えがたいモチベーション促進剤になります。逆に、改善点についてもフィードバックされることで、自分のアウトプットをより客観的に見れるようになります。これらの経験が、お子さんの視野をさらに広げることにつながります。

2)イベントに作り手として参加する

地域イベント(お祭りなど)に作り手として参加すると段取り力が培われます。たとえば、お祭りの日に出し物をしたり、出店すのもいいでしょう。イベントに参加するためには、「いつまでにどんなことをしなければいけないのか」を考える必要があります。この経験が段取り力を育むのにとても適しているのです。

このイベント参加は、学校の学芸会参加と重複する要素がありますが、大きく異なる点があります。それは以下の点です。

  • 自分で目的とやることを決める・・・学芸会などは、出し物の内容は学校サイドが決めることがほとんどです。一方でイベント参加をする場合は、自分自身で何をするのか、どうしてそれをやりたいのか、など全て自分で決める必要があります。この自分で1から考えて決めると言う行為が、段取り力におおきく影響を及ぼします。
  • 自分で決めたことに責任を持つ・・・やると決めたことに責任が生じていることを意識するようになります。自分で決めているので、やったことに対して自分にフィードバックが返ってきます。このように言い訳できない環境に追いやることが、大きく成長を促します。
  • 社会の目に触れる・・・家庭や学校以外の人の目に触れることで、お子さんのモチベーションに大きく影響します。重要なのは、あえて失敗する経験をさせることにあると感じています。それを乗り越える経験をすることこそ、次回へのモチベーションに繋がります。

以上の点を踏まえると、段取り力が飛躍的に伸びてきます。ついつい大人が口出ししそうになりますが、危険なこと・他人に迷惑がかかる以外のことについてはできるだけ手を出さないようにしましょう。

3)コンテストに出場してみる

世の中には、子供が参加できるコンテストが多く存在します。これらのコンテストに挑戦するのは、段取り力を鍛えるのにおすすめです。その理由をいくつかご紹介します。

まず第一に、無料で参加できて得るものが多いという点です。ノーリスクハイリターンと言えます。いつまでに、何をすればいいのかという大きな目標に向けて、日々のTODOをスケジュールに落とし込む経験、実際に計画通りにTODOを済ませるために自分の行動をどのようにコントロールしなければいけないのか、自分の考え方のクセなど、自信を客観的に観察する経験を積むことができます。

しかし注意しなければならないのは、これらの経験を単発で終わらせると習慣化しないという点です。つまり、一度や二度経験しただけでは、段取り力が身についているとは言えないということです。たとえ入賞しなくてもなんども挑戦することで、段取り力は習慣化し、目標に向かって自分自身でスケジューリング・自己制御できるようになります。そして、この繰り返し挑戦する経験を通して、レジリエンス(ストレスなどにさらされてもそれを克服する力)が育まれ、打たれ強い人間になることができます。

ただ、このスケジュール管理や実際にスケジュール通りに進められているかを確認し、うまくモチベートするのは簡単ではありません。

私のプログラミング教室では、独学力を身につけるためににも、プログラミングコンテスト出場を一つのゴールにしています。これらのコンテストを探し、繰り返し挑戦する機会を通して段取り力が身についてきます。また、入賞できなかった原因分析についても一緒に行うため、原因と対策を明確化する経験も積むことができます。

これらの経験は、大人になってからも大いに役立つことは言うまでもありません。仕事だけでなく、プライベートな問題を解決するときにも大変役に立ちます。言い換えれば、独学力は「人生をよりよく生き抜くための術」ともいえるでしょう。

子供の独学力を育む方法(その②:情報収集する力)

子供の独学力を育む方法(その①:目的意識を持つ)でも紹介しましたが、独学力は3つの要素で成り立っています。

  • “何かやりたい”という目的意識を持つこと
  • 情報収集する力
  • 限られた時間の中で必要な知識を習得する段取り力(スケジュール管理能力・遂行力)

今回は、その2つ目にあたる「目的のために必要な知識は何かを把握し情報収集する力」についてご紹介したいと思います。

情報収集能力の身につけ方

インターネットでどんな情報にもアクセスしやすくなった今、情報収集能力=ネットリサーチ力+質問力と分解することができます。今回はネットリサーチ力についてご紹介します。

ネットリサーチ力は、どのサイトに正しい情報や目的に合う情報が集まっているのかを探せる能力を指します。もっと突き詰めると、何が無駄で正確ではない情報なのかを見分ける力と言えます。この能力は、2つの方法で伸ばすことができます。

1)リサーチの経験を積む

一つは「リサーチの経験を積むこと」です。初めてネットリサーチをする場合は、以下のステップを踏むことをお勧めします。できれば、リサーチ結果をノートなどで残して後から見返せるようにしておくと、リサーチ力の向上を実感できてお勧めします。

  1. お題を決める(何のためのリサーチなのかを明確にする)
  2. 仮説を立てる(全然見当がつかないことに対するリサーチなのか、予備知識があり仮説を立てているのかを事前に明確にしておくとリサーチ内容の質がアップします)
  3. 時間を決める(時間を区切ることでネットリサーチの質が上がります)
  4. リサーチするサイトを限定する(初めてのネットリサーチの場合、ある程度、見当のつくサイトをピックアップしておくのも手です)
  5. 参照した情報元サイトのURLと参考箇所を残す(情報元を明示することでリサーチ内容の信憑性が上がります)
  6. リサーチから導いた結論を書き出す(当初の目的にあった結論が出ているかチェックします。もし目的からずれた結論になっていた場合は、何を改善できるのかリストアップし、次回のリサーチに生かします)

2)リサーチ力の高い人から盗むこと

そしてもう一つが「リサーチ力の高い人からその方法を盗むこと」です。

この方法は、「リサーチの本から盗む方法」と「年齢の近いお子さん同士で教えう・競争させる」などの方法があります。

リサーチ関連の本から盗む方法は、出来るだけお子さんに本を選ばせるようにしてください。難しすぎたり、リサーチに関連する本でないものを選んでしまうこともあると思いますが、そこはぐっとこらえてその失敗をお子さん自身に体感させることが次に生かされます。

年齢の近いお子さん同士で教え合う・競い合う方法でおすすめなのは、ご兄弟で一つのテーマについて調べ合う方法です。

ネットリサーチをバカにしない

リサーチ力を伸ばす方法として2つの方法(ネットリサーチの経験を積む・リサーチ力の高い人から盗む)をご紹介しましたが、この二つの経験をバランスよく積むことが重要です。

もし、リサーチのの経験を積むことに偏ってしまうと井の中の蛙になりかねません。一方で、リサーチ力の高い人から盗むことだけでは他人依存のスキルになり、工夫すること・改善することに欠けてしまいます。

何れにせよ、ネットリサーチ力はこれからの社会を生きる上で非常に有力です。この機会に、子供達のネットリサーチ力について考え、できることから初めてみてはいかがでしょうか。

子供のネット依存を危惧する前に

今のお子さんたちは、生まれた時からスマートフォンが身近な存在です。

そこで、スマホ依存症になることを回避するためやネット社会の様々なリスクからお子さんを守るために、お子さんがデジタル機器を使うのを遠ざけているご家庭もあると思います。

しかし、すでに到来しているデジタル社会を生き抜くためには、ネットの使い方やリスクを早い段階からしっかりと知る必要があると感じています。

なぜなら、ネット社会のリスクから子供たち自身が守る術を学び習得することが、本当の意味でネット社会のリスクからお子さんを守ることに繋がるからです。また、ネットリサーチ力をつけることで、ネット上にある上質な情報に簡単にアクセスでき、それによってお子さんの視野を低コストで広げるができます。

しかし、闇雲にネットリサーチをさせるわけにもいかない、ネット上のリスクにどんなものがありどう防いでいけばいいかわかない、そんな時間がない、というご家庭がほとんどだと思います。

そういったご家庭でぜひ利用したいのが、お子さんのネット依存を回避するために開発されたアプリなどです。時間制限できるものや、閲覧するサイトを制限できるものまで様々なものが公開されています。

ご家庭にあったアプリや仕組みをうまく利用して、お子さんが本当の意味でネット社会を安心して利用できるよう促していきたいものです。

子供の独学力を育む方法(その①:目的意識を持つ)

独学力は「自分で学ぶ力」のことです。この独学力は、問題解決能力に直結します。

プログラミングコンテストを目指す教室any

独学力は3つの要素から成り立っています。

一つ目は「”何かやりたい”という目的意識を持つこと」、二つ目は「目的のために必要な知識は何かを把握し情報収集する力」、そして最後に「必要な知識を限られた時間の中で習得する段取り力(スケジュール管理能力・遂行力)」です。

今回はこの3つの要素の中から、「目的意識を持つ」にフォーカスを当ててご紹介します。

子供の目的意識を奪う「管理主義」

あれしなさい、これしなさいと言われて育った子供は、自分が何をやりたいのか、何に困っているのかと言う問題発見能力が乏しいように感じます。

私自身の幼少期は、両親が商売をしていたり、弟が生まれつき病気だったこともあり、放任主義で育ちました。勉強しろと言われたことは一度もなく、興味の赴くままに生活していた気がします。この経験が私の好奇心と行動力に影響したと感じています。

子供が主体となって生活の様々なことを自ら決めると、その判断に成功・失敗が伴い、次に活かせる知恵になります。この経験を繰り返し積むことが、独学力を育むポイントになります。

本物・プロに触れて「やりたい!」を引き出す

では、子供の主体性を促すために親ができることはないのでしょうか。

その答えは「No」です。一つの方法をご紹介します。それは、お子さんが「かっこいい!」「可愛い!」「すごい!」と思う人を見つけるフォローをすることです。もしすでにお子さんが「かっこいい!」「可愛い!」「すごい!」と思う人がいるのであれば、主体性を持たせてあげる絶好のチャンスです。なぜなら、彼らはすでに憧れの存在に近づきたいとモチベートされており、近く方法を知るきっかけがあれば、自ら勝手に学び始めます。

もし憧れの存在がいないという場合は、「本物に触れる・プロに会う」機会を提示する方法をお勧めします。例えば、歴史的人物や世界的に有名な絵画などが挙げられます。これらの人物・物は、今まで人を魅了し続けてきた要素があるため子供が感動する確率が高くなります。「少しハードルが高いな・・・」と思われる場合は、親御さんの好きなアーティストや作家さん、研究者などでも構いません。そのアーティストや作家さんなどの素晴らしいところを「お母さんは、この人のこんなところがすごいと思うんだよね」とお子さんに紹介してみてください。親子のコミュニケーションの中で、様々な価値観や哲学があることに触れ、人生に興味を持つきっかけになると思います。この「人生への興味」が、様々な目的意識を育ててくれます。

「視野を広げ、本質的に物事を見抜ける能力」を養える簡単な方法

良くも悪くも、子供達はコミュニティ(特に友達)に影響されるものです。そこで、考えたいのは「子供のコミュニティを学校だけに頼るリスク」です。地域や学力だけでフィルタリングされたコミュニティだけが、お子さんの興味のある分野での視野を広げるとは限らないからです。

そこでうまく利用したいのが塾や習い事、ボランティアです。

ボランティア活動は無料で間口が広げられており、多様な年齢層であるため、お子さんの視野を広げることができ魅力的です。

塾や習い事は、お子さんの興味のある分野において同年代で少しマニアック(より深い知識や経験を持つ)友達コミュニティが得られることが魅力です。

様々なコミュニティでの新しい仲間との交流を通して、人生への興味喚起を促してみてはいかがでしょうか。これらの経験が、目的意識を持って本質的に物事をみれる能力開発に大いに役立ってくれます。

小学校5年生の姪っ子がプログラミング体験

先日、久しぶりに姪っ子に会う機会がありました。彼女は小学5年生。4人兄弟の末っ子ですが、私の二人の子供(2歳、0歳)を抱っこ紐で抱っこするほど面倒見のいい女の子です。寝る前に必ず本を読む読書家でもあります。

プログラミングコンテストを目指す教室any

そんな彼女の前で私がパソコンを広げていると、彼女が「プログラミングがしたい」といってきました。せっかくなので一緒にプログラミングをすることに・・・。聞くと、彼女はパソコンクラブに所属してブロックプログラミングの経験があるようでした。

しかし、パソコンクラブに所属しているとは言っても、0からプログラミングできるほどの経験がない様子。一般的な小学校5年生なら当然です。そこで、いくつかのプログラミングのコツを教えてみると・・・。

小学5年生の彼女はどんどんプログラムを書き換えていき、その熱量は冷めることなく、結局「まだやりたい」という姪っ子にお願いしてパソコンを返してもらう羽目になりました。

しかし、彼女のプログラミング熱は冷めません。なんと、後日、姪っ子から

「家のパソコンでもプログラミングをやりたいから、やり方を教えて」

とメールが送られてきたのです。

プログラミングは簡単に始められる

まだあまり知られていませんが、今は環境が整い、パソコンやタブレットがあれば自宅でも簡単に子供向けのプログラミングができる時代になりました。きっかけさえあれば簡単にプログラミングを学べる時代ですが、なかなかその「きっかけ」に出会えないのが現状です。

そこで、私のやっているプログラミング教室では、まずはプログラミングを学ぶ機会を提供することが重要だと思い、月1回から¥3500で通えるコースを用意しています。

「月1回しか通わずにプログラミングが身につくのかしら?」と疑問に感じる親御さんも少なくありませんが、今回紹介した姪っ子の事例からも分かるように、きっかけさえあれば自分で学び始める子供は少なくありません。

このコースを通して、まずはプログラミングを学ぶきっかけを作ってもらい、次に自宅でもプログラミングを独学できるような情報提供をしています。親御さんと二人三脚になって、「お子さんのプログラミングスキルを育んでいこう」という教室になります。こう言った取り組みによって、プログラミングが得意な子供たちが増えればいいなと思っています。

プログラミングスキルだけで終わらない

「独学できるようになると、教室に通う必要が無くなるのでは?」と感じた方もいるかもしれません。そうなると、ちょっと大きい声では言えませんが、私が食べていけなくなるので何とか通ってもらうために、価値を提供する必要があります。

私のプログラミング教室に通う価値は、1)プログラミング好きな子供同士が刺激しあってさらに成長できる場の提供、2)プログラミングスキルを社会に還元する経験にあると思っています。

これらの体験を通して、「自分はできるぞ」という自信を育んでもらえたらと思っています。

今日からできる、子供の「やりたい!」を育む3つのポイント

今回紹介した姪っ子のように、元々子供達は「好奇心が強く何かに集中する力」を持っています。その好奇心や集中力を削がないために、今日からできる子供の「やりたい!」を育む3つのポイントをご紹介します。

  • 子供が間違っていても、子供から助言を求めるまで口を出さない
  • 大人は提案し、子供が決める
  • 予定調和にせず、偶発性を楽しむ

たった3つのことですが、やってみるとなかなか難しいです。私も姪っ子に口を出したい気持ちをグッと抑え、彼女の好奇心の向かう先を一緒に辿りながら、アドバイスを求められてから助言するように注意しました。

「あなたのためだから」という毒薬

大人は今までの経験から学んだことを子供に教えようとします。それは一見効率的で賢いやり方に見えますが、逆に子供の「体験して学ぶ機会」を奪っていることにもなります。

体験から学ぶ機会が、子供の好奇心や集中力を育んでいます。もし、お子さんが今一生懸命取り組んでいることがあり、それを伸ばしてあげたいと感じているなら、やることは2つ、「邪魔をしないこと」と「その道のプロやコミュニティに任せること」ではないかな、と思う今日この頃です。

登戸事件を受けて

2019年5月に神奈川県川崎市多摩区の登戸駅から目と鼻の先にある場所で、凄惨な事件が起こってしまいました。亡くなられた方、怪我をされた方、そのご遺族やご友人の方の気持ちを考えると、胸が締め付けられる思いです。

プログラミングコンテストを目指す教室any

この事件を受け、私がまず知りたいと思ったこと

それは、犯人・岩崎隆一氏の生い立ちでした。そして、その生い立ちがあきらかになるにつれ、「やはり、そういうことか」というやり場の無い思いが湧き上がっています。

どうやったら子どもたちを守れるのか

カリタス学園の保護者の方がメディアの前でとても印象的なことを語っておられました。

「私たちは、どうやって子どもを守ってあげられるのでしょうか。」

その言葉には、落胆と諦めと混乱が入り混じっているように感じ取れます。一方で、「このような事件を起こさない道はないのか」と、問われているようにも感じました。

このような事件が起こると、「犯人」と「私たち」の間に大きな壁があり、犯人は私たちと全く違う人間、全く相容れない存在、と捉えてしまいます。それは至極自然な反応だと思います。

しかしだからこそ、私たちの中にある犯人との類似点に注目することに価値があると思います。歴史を繰り返さないために、今までとは違った目線でこの事件を考える必要があると思ったからです。

私たちの中にある、犯人との類似点

犯人と私たちの類似点。それは、「自分を大切にして欲しい(愛して欲しい)」と言う気持ちから派生した怒りや悲しみ、そして落胆ではないでしょうか。

この落胆には、2つあると思います。一つは自分への落胆、そして世間(家族や社会)への落胆です。そして、大人であることを理由に、その落胆は自己責任と言うくくりで隅へ追いやられてしまう。

犯人と私たちの道を分かつものは何でしょうか。思考の違いなのでしょうか。私には、「環境の違い」が大きく影響しているように感じてなりません。

親としてできること

私は2人の子供を持つ親です。

今回の事件を通して、親として「子供に愛情深く接すること」の重要性を突きつけられたように感じます。これは一言で表すなら、「You are OK.」の精神ではないでしょうか。「あなたの人生はあなたの為にある、あなたの自由にしていい。」

愛情深く接するとは、話を聞き、受け入れ、贔屓することだと思います。つい、スマートフォンを片手に上の空で子どもに対応してしまう私にとって、猛省するポイントでした。

また、親が自分を犠牲にしない、もっと言うと「自分の人生を生きる」事が大切だと思います。「You are OK.」の精神は、「I’m OK.」から派生すると思うからです。「私は私の好きな人生を謳歌しているよ、あなたも自分の好きな人生を謳歌していいよ」と背中で伝えられたらいいなと思います。間違っても「誰かの決めた指標に縛られて生きづらい人生にしてはいけない」と思うのです。

一人の人間としてできること

そして、一人の人間としてできることもあると思います。それは「弱みを見せること」「排他的にならない」「挨拶をする」です。

「弱みを見せる」とは、自分が自分の弱みに寛容になる状態だと思います。「完璧じゃなくったっていい」と自分で自分をありのままに認めることで、他人に対しても「完璧じゃなくったって当たり前」と思えるようになったら少し楽になるように感じます。この感覚は、「排他的にならないこと」に繋がります。

「排他的にならない」とは、自分と違う人に寛容になることを意味しています。しかし心の底から寛容になる為には、相手のことをよく知る必要があります。排他的な気持ちは、「何だかよく分からない」から生まれるように感じるからです。こうして書いていますが、もぉ、これが難しくって仕方がありません。自己鍛錬の毎日です。

最後に「挨拶をする」について。私の勝手な考えですが、気持ちの良い挨拶はそれだけでギフトになると思っています。「You are OK.」を気軽に体現できる素敵な方法だと思います。

それから、挨拶は自分の心のバロメータになっています。気持ちの良い挨拶ができているときは心が元気、できないときは心が弱っている事が多いです。心が弱ってるなぁと感じたら、できるだけ自分を甘やかすようにしています。甘やかす方法としてもっとも多いのは「ご飯を作らない」です。

最後に

私は小さなプログラミング教室をやっていますが、定期的に「クエスチョンカード」を配っています。その理由は、個性を尊重する(=お互いの違いを寛容し合う)空気を醸成したいからです。

クエスチョンカードの内容を一部紹介します。

  • 自分の強みは何ですか
  • どんな時にストレスを感じますか
  • どんな分野で活躍したいですか  …など。

このカードから生徒さん一人一人の個性を知り、尊重するだけでなく、各々の「好き・得意」を育める場を提供できたらと思っています。

そして、「自分らしくいる事が受け入れられた」という体験が積み重なる事で、「他人にも寛容になる」心の土壌ができ、それらの広がりが「自分らしく生きやすい社会の礎」になってくれれば…と願っています。